
【2025年最新】車検の流れを解説|初心者でも安心!必要書類から費用まで徹底解説

車検は自動車を運転する上で避けて通れない重要な手続きです。
しかし、初めて車検を受ける方にとっては、「どのような流れで進むのか」「何を準備すればいいのか」「費用はどのくらいかかるのか」など、多くの疑問があることでしょう。
本記事では、車検の流れについて初心者の方でも理解できるよう、必要な準備から実際の検査まで、段階的に詳しく解説いたします。
車検とは何か?基本的な仕組みを理解しよう

車検(正式名称:自動車検査登録制度)は、道路運送車両法に基づいて実施される、自動車の安全性と環境への配慮を確認する法定検査です。この検査は、すべての自動車が公道を安全に走行できる状態であることを保証するために行われます。
車検の目的
車検には主に以下の3つの目的があります。
1.道路交通の安全確保
車検では、ブレーキやライト、タイヤなどの安全装置が正常に機能しているかを検査します。
これにより、機械的故障による交通事故を未然に防ぐことができます。
2.環境保護への貢献
排気ガスの測定を行い、大気汚染物質の排出量が基準値内であることを確認します。
これにより、環境への負荷を最小限に抑えることができます。
3.自動車の適正な維持管理
定期的な検査により、車両の状態を把握し、必要に応じて整備・修理を行うことで、自動車の性能を維持します。
車検の法的義務
道路運送車両法では、車検証の有効期限が切れた自動車を公道で運転することを禁止しています。
違反した場合、以下の罰則が科せられます。
違反内容 | 罰則 |
---|---|
車検切れ運転 | 違反点数6点、30日間の免許停止、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金 |
自賠責保険未加入 | 違反点数6点、1年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
これらの罰則を避けるためにも、車検は確実に受けることが重要です。
車検の種類と有効期限

車検にはいくつかの種類があり、それぞれ有効期限が異なります。
適切な車検を受けるためには、まず自分の車がどのカテゴリーに属するかを理解することが重要です。
車検の種類
新規検査
新車を初めて登録する際に受ける検査です。
ディーラーが代行することが一般的で、車両の購入者が直接関わることはほとんどありません。
継続検査
すでに登録されている自動車が、継続して使用するために受ける検査です。
一般的に「車検」と呼ばれるのは、この継続検査のことです。
構造等変更検査
自動車の構造や装置を大幅に変更した場合に受ける検査です。
エアロパーツの取り付けや改造などを行った際に必要となります。
車検の有効期限一覧表
車種 | 初回車検 | 2回目以降 | 備考 |
---|---|---|---|
乗用車(自家用) | 新車登録から3年 | 2年ごと | 最も一般的なパターン |
軽自動車(自家用) | 新車登録から3年 | 2年ごと | 乗用車と同じ |
貨物車(自家用・8t未満) | 新車登録から2年 | 2年ごと | 商用車のため短い |
貨物車(自家用・8t以上) | 新車登録から1年 | 1年ごと | 大型車のため厳格 |
営業用自動車 | 新車登録から1年 | 1年ごと | タクシー、バスなど |
車検満了日の確認方法
車検満了日は以下の方法で確認できます。
1.車検証の確認:車検証の「有効期間の満了する日」欄に記載
2.検査標章の確認:フロントガラスに貼られたステッカーで確認
3.自動車検査証返納届の確認:車検証と一緒に保管されている書類
車検満了日の1ヶ月前から車検を受けることができ、早めに受けても次回の車検満了日が前倒しされることはありません。
車検前の準備:必要書類と事前チェック

車検をスムーズに進めるためには、事前の準備が重要です。
必要書類の準備と車両の基本的なチェックを行うことで、当日の手続きを円滑に進めることができます。
車検の必要書類一覧
車検を受ける際に必要となる書類は下記になります。
書類名 | 概要 | 入手方法 |
---|---|---|
自動車検査証(車検証) | 車両の基本情報と所有者情報が記載 | 車内に常備 |
自動車損害賠償責任保険証明書 | 自賠責保険の加入証明 | 保険会社から発行 |
自動車税納税証明書 | 自動車税の納付証明 | 税務署、市区町村役場 |
継続検査申請書 | 車検の申請書類 | 検査場で入手可能 |
自動車検査票 | 検査結果を記録する書類 | 検査場で入手可能 |
自動車重量税納付書 | 重量税の納付書類 | 検査場で入手可能 |
車検の事前チェック項目
車検に合格するために、以下の項目を事前にチェックしておきましょう。
車の外観チェック
- フロントガラスにヒビや大きな傷がないか
- ヘッドライトやテールランプが正常に点灯するか
- ウインカーやハザードランプが正常に動作するか
- タイヤの溝が十分にあるか(1.6mm以上)
- ナンバープレートが正しく取り付けられているか
車内のチェック
- シートベルトが正常に巻き取られるか
- クラクション(ホーン)が鳴るか
- ワイパーが正常に動作するか
- 室内灯が点灯するか
エンジンルームチェック
- エンジンオイルの量と色
- 冷却水の量
- バッテリーの状態
- 各種ベルトの状態
これらのチェックを行うことで、車検不合格のリスクを大幅に減らすことができます。
車検の流れ:業者依頼の場合

多くの車両所有者は、専門業者に車検を依頼します。ここでは、一般的な業者依頼の流れを詳しく説明します。
車検業者の選択
1. 業者の種類を理解する
車検を依頼できる業者には以下の種類があります。
業者種類 | 特徴 | 費用目安 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
ディーラー | 高品質な整備 | 10-15万円 | 専門知識が豊富 純正部品を使用 | 費用が高い |
整備工場 | バランスの取れたサービス | 7-12万円 | 技術力あり 相談しやすい | 工場により差がある |
車検専門店 | スピード重視 | 5-8万円 | 早い、安い | 整備は最低限 |
ガソリンスタンド | 利便性重視 | 6-10万円 | アクセス良好、気軽 | 技術力にばらつき |
2.各業者から見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取得し、以下の項目を比較すると良いでしょう。
- 基本料金
- 法定費用
- 追加整備費用の見込み
- 代車サービスの有無
- 完了までの日数
実際の車検の流れ
選択した業者に連絡し、車検の予約を取ります。この際、以下の情報を伝えるとスムーズです。
- 車種、年式、走行距離
- 希望日時
- 代車の必要性
- 特別な要望(洗車サービスなど)
業者が車両の状態を確認し、詳細な見積もりを提供します。
この段階で下記項目を業者に確認しましょう。
- 法定費用の内訳
- 予想される整備内容
- 追加費用の可能性はあるか
- 作業スケジュールの詳細
車両を業者に預けます。入庫時には下記手続きを行います。
- 必要書類の提出
- 車内の貴重品の確認
- 代車の受け取り(必要に応じて)
- 連絡先の確認
業者が以下の作業を行います。
- 法定24ヶ月点検の実施
- 不具合箇所の修理・整備
- 検査場での車検受検
- 必要に応じた追加整備
車検が完了すると、業者から連絡があります。引き渡し時には以下を業者が確認します。
- 新しい車検証の内容
- 整備内容の説明
- 費用の確認と支払い
- 次回車検までの注意点
車検業者依頼のメリット・デメリット
車検業者依頼のメリット
車検業者依頼のデメリット
ユーザー車検の流れ:自分で車検を受ける場合
コストを抑えたい方や、車に詳しい方には、ユーザー車検という選択肢があります。
ここでは、自分で車検を受ける場合の詳しい流れを説明します。
ユーザー車検とは
ユーザー車検とは、車両所有者が自分で検査場に車を持ち込み、検査を受けることです。
業者への依頼料が不要なため、大幅なコスト削減が可能です。
1.検査場の予約
国土交通省の「自動車検査インターネット予約システム」を利用して、検査の予約を取ります。
- 検査場の選択
- 希望日時の指定
- 車両情報の入力
- 予約確認書の印刷
2.必要書類の準備
以下の書類を事前に準備します。
書類名 | 入手場所 | 注意点 |
---|---|---|
自動車検査証 | 車内保管 | 有効期限の確認 |
自動車損害賠償責任保険証明書 | 保険会社 | 新旧両方必要 |
自動車税納税証明書 | 税務署等 | 最新年度のもの |
定期点検整備記録簿 | 自身で作成 | 24ヶ月点検項目 |
3.車両の点検・整備
検査に合格するため、以下の項目を重点的にチェックしましょう。
ライト関係
- ヘッドライト:光量、光軸の調整
- ウインカー:正常な点滅
- ハザードランプ:同期した点滅
- ブレーキランプ:踏み込み時の点灯
タイヤ・ホイール
- タイヤの溝深さ:1.6mm以上
- タイヤの亀裂やバルジ
- ホイールバランス
- 空気圧の調整
ブレーキ系統
- ブレーキパッドの残量
- ブレーキフルードの量
- パーキングブレーキの調整
- ブレーキホースの状態
ユーザー車検 検査当日の流れ
検査場に到着したら、まず受付で以下の手続きを行います。
- 予約確認書の提示
- 必要書類の提出
- 検査手数料の支払い(印紙購入)
- 検査コースの割り当て
提出した書類の内容を確認します。不備がある場合は、この段階で指摘されます。
実際の検査は以下の順序で行われます。
1.外観検査
- 車両の外観、灯火装置の確認
- 運転席での各種操作(ライト、ウインカー、ワイパー、ホーン)
- エンジンルームの確認
2.サイドスリップ設定
- 直進性の確認
- ホイールアライメントの測定
3.ブレーキ検査
- 前輪・後輪ブレーキの制動力測定
- パーキングブレーキの効力確認
4.スピードメーター検査
- 速度計の精度確認
- 40km/h時の誤差測定
5.ヘッドライト検査
- 光量・光軸の測定
- 上向き・下向きの切り替え確認
6.排気ガス検査
- 一酸化炭素・炭化水素の測定
- 黒煙の濃度確認
7.下回り検査
- 検査ピットでの目視確認
- 足回り、排気系統の点検
全ての検査が完了すると、結果が通知されます。
- 合格の場合:新しい車検証と検査標章を受け取り
- 不合格の場合:不適合箇所の修正後、再検査
ユーザー車検のメリット・デメリット
ユーザー車検のメリット
ユーザー車検のデメリット
車検費用の内訳と相場
車検にかかる費用は、法定費用と整備費用に大別されます。
費用の内訳を理解することで、適正な価格かどうかを判断できるようになります。
法定費用(どこで受けても同額)
法定費用は国が定めた費用で、どの業者に依頼しても同じ金額です。
項目 | 軽自動車 | 小型車(1t以下) | 中型車(1-1.5t) | 大型車(1.5t-2t) |
---|---|---|---|---|
自動車重量税 | 6,600円 | 16,400円 | 24,600円 | 32,800円 |
自賠責保険料(24ヶ月) | 19,730円 | 20,610円 | 20,610円 | 20,610円 |
印紙代 | 19,730円 | 1,200円 | 1,200円 | 1,200円 |
合計 | 27,430円 | 38,210円 | 46,410円 | 54,610円 |
整備費用(業者により異なる)
整備費用は業者の種類により大きく異なります。
業者種類 | 基本料金 | 特徴 |
---|---|---|
ディーラー | 40,000-80,000円 | 高品質な整備、純正部品使用 |
整備工場 | 25,000-50,000円 | バランスの取れたサービス |
車検専門店 | 15,000-30,000円 | 必要最低限の整備 |
ガソリンスタンド | 20,000-40,000円 | 利便性重視 |
追加費用の可能性
車両の状態により、以下の追加費用が発生する場合があります。
項目 | 費用目安 | 交換タイミング |
---|---|---|
エンジンオイル | 3,000-8,000円 | 5,000-10,000km毎 |
ブレーキパッド | 15,000-30,000円 | 残量3mm以下 |
タイヤ | 40,000-100,000円 | 溝深さ1.6mm以下 |
バッテリー | 10,000-25,000円 | 3-4年毎 |
ワイパーブレード | 2,000-5,000円 | 1-2年毎 |
車検費用を抑えるポイント
1.定期的なメンテナンス
日頃から適切なメンテナンスを行うことで、車検時の大きな修理を避けることができます。
2.複数業者の比較
同じ整備内容でも、業者により価格が大きく異なることがあります。
3.車検の早期予約
多くの車検業者で早期予約割引を実施しています。
4.不要な整備の見極め
車検に必要のない整備は断る勇気も必要です。
車検に通らない場合の対処法
車検に合格しない場合でも、適切な対処を行えば問題を解決できます。
不合格の原因を理解し、効率的な対策を講じましょう。
車検のよくある不合格原因
1.ライト関係の不具合
もっとも多い不合格原因の一つがライト関係の不具合です。
不具合内容 | 対処法 | 費用目安 |
---|---|---|
ヘッドライト光軸ずれ | 光軸調整 | 2,000-5,000円 |
バルブ切れ | バルブ交換 | 1,000-3,000円 |
レンズの曇り | クリーニング・交換 | 3,000-15,000円 |
2.タイヤ関連の問題
タイヤ関連は走行上の安全に直結する重要な項目です。
- 溝の深さ不足(1.6mm以下)
- 偏摩耗・異常摩耗
- 亀裂・損傷
- 空気圧不適正
3.ブレーキ系統の不具合
制動力が基準値を下回る場合
- ブレーキパッドの摩耗
- ブレーキフルードの劣化
- ブレーキホースの損傷
- パーキングブレーキの調整不良
車検再検査の手順
車検業者へ依頼の場合
- 業者が不合格原因を説明
- 修理・整備の実施
- 業者による再検査
- 合格まで繰り返し
ユーザー車検の場合
- 不合格票の受け取り
- 指摘事項の確認
- 修理・整備の実施
- 再検査の予約
- 再検査の受検
車検再検査時の注意点
同日再検査
- 当日中の再検査は追加料金不要
- 3回まで受験可能
- 修理時間を考慮したスケジュール調整
別日再検査
- 検査手数料が再度必要
- 2週間以内なら部分検査が可能
- 全項目再検査の場合もあり
限定自動車検査証
- 部分検査を受けるための書類
- 無料で発行
- 有効期限は15日間
車検後の手続きと注意点
車検が完了した後も、いくつかの重要な手続きと注意点があります。
適切な管理を行うことで、次回の車検までスムーズに過ごすことができます。
車検証の確認事項
新しい車検証を受け取ったら、以下の項目を必ず確認しましょう。
確認項目 | 重要度 | 注意点 |
---|---|---|
有効期間満了日 | 最重要 | 次回車検の期限 |
所有者・使用者情報 | 重要 | 住所変更等の反映 |
車台番号 | 重要 | 車両の特定情報 |
排気量・車両重量 | 重要 | 税金計算の基礎 |
検査標章の貼り付け
貼り付け位置
- フロントガラスの上部中央
- 前面から見えやすい位置
- 既存のステッカーは剥がして貼り替え
貼り付け時の注意点
- 空気が入らないよう注意
- 曲がらないよう慎重に
- 剥がれないよう十分に圧着
車検後の点検・整備
12ヶ月点検の重要性
車検から1年後に実施する法定点検です。
- 実施義務はあるが罰則なし
- 車検時の不具合を早期発見
- 次回車検での大きな修理を予防
日常点検のポイント
定期的な点検で車両の状態を把握しておくと良いでしょう。
1.月一回の点検
- エンジンオイルの量・色
- 冷却水の量
- バッテリー液の量
- タイヤの空気圧・溝
2.走行前の点検
- ライトの点灯確認
- ワイパーの動作確認
- サイドミラーの位置調整
必要書類の管理
車検証の管理
- 車内での常時携帯が義務
- 紛失時は再発行手続きが必要
- コピーでは法的効力なし
その他書類の保管
- 自賠責保険証明書:車内保管
- 自動車税納税証明書:次回車検まで保管
- 整備記録簿:メンテナンス履歴として保管
次回車検の準備
計画的な準備
- 満了日の2-3ヶ月前から業者選定
- 早期予約での割引活用
- 必要書類の事前準備
予算の確保
- 法定費用の積立
- 整備費用の見込み
- 追加修理費用の備え
まとめ
車検は単なる法的義務ではなく、安全で快適なカーライフを送るための重要なメンテナンス機会です。
本記事で解説した流れを理解し、適切な準備を行うことで、スムーズかつ経済的に車検を受けることができます。
車検は決して難しいものではありません。正しい知識と準備があれば、初心者の方でも安心して受けることができます。
本記事を参考に、次回の車検に向けて計画的に準備を進めてください。
定期的な車検を通じて、愛車を長く大切に乗り続けることができるでしょう。安全で快適なカーライフのため、車検を有効活用してください。